2014年8月17日日曜日

8.16 横浜アリーナ(初日) LIVE REPORT


もし僕が十代だったら、今日この日から人生が変わっていただろう。

 

長渕剛のツアーだ。

初日、横浜アリーナ。

すごかった!

ヤバかった!

 

開演を待ちわびる鳴り止まない剛コールの中、BGMが切り替わり、大音量のロックンロールが響き渡る。

地明かりのままメンバー、長渕剛がステージに登場。

そしてなんと、そのままラフに演奏が始まった!

こちらが身構える前に、いきなりガツン!と一発お見舞いされた感じ。

シルエットに浮かび上がるのは、日米がタッグを組んだニューBand

ピーター・ソーン(Gt)、ジョン・バトン(B)、ローレン・ゴールド(Key)ichiro(Gt)、昼田洋二(Sax)、矢野一成(Ds)、陽子&佐江子&MAYUKA(Cho)

長渕剛は、真っ赤なレザージャケットに白いシャツ、黒いストールを巻き、パンツはブラック一色ながら、フロントのデニムとバックのレザーがひとつになっているというスタイル。なんだかBandをスタイリングで表現しているよう。

これまでとは違う。ぜんぜん違う!

キレッキレのサウンドもワールドワイドな見た目も最高にクール。だけど何より違うのは、メンバー同士の距離感や体温が、近くて熱いんだ。

こんな長渕剛、見たことない! こんなBand、はじめてだ!

とんでもないことが起こるぞ!

もう、鳥肌が止まらない! 驚く間もない! ただただカッコ良さにノックアウトされてる。

 

まだ子どもだった頃、音の悪いラジカセから聴こえてくるロックンロールに夢中になった時のことを思い出した。胸に熱いものが込み上げて来る。最初っからそんなに飛ばしまくって大丈夫? 自分で自分を心配しているのに笑ってしまった。

 

「バカヤロー、もっと派手に行こうぜ!」

目の前のイカしたロックンロール・バンドが舌を出す。

 

長渕がジョンの肩に手を掛け、1本のマイクで二人がシャウトする。

ピーターとichiroが背中合わせになり、火花を散らせながらお互いのギターを感じ合っている。

昼田のSaxはバンドとオーディエンスの感情をつなぐ虹の架橋のように響き渡る。

そして矢野のいたずら小僧のように楽しそうな笑顔がステージ全体に弾けている。

上手のローレンと下手のコーラス陽子&佐江子&MAYUKAがアイコンタクトして、ダンスを合わせる。

フロントの5人が一塊になって、前に突き出たステージ上でステップを踏んでいる。

 

人間と人間のぶつかり合い、愛情、尊敬……それらがロックンロールになって放たれている。

そうだ。そうなんだ。僕らが感動するのは、決まって〝そこ〟なんだ。でも、〝そこ〟を鳴らしてくれるロックンロール・バンドがいったい今、世界にいくついるっていうんだ?

 

ここにいるよ。

僕は声の限り叫びたい!

肉体と魂がひとつになった本物のロックンロール・バンドがここにいるぞ!って。

 

今日はまだ初日だ。

なのに、へとへと。

そして、最高に心地いい。

これを待ってたんだな――。

 

もし僕が十代だったら――いや、何歳だってかまわない。

ロックしつづけてたら、年なんて取らないんだ。

長渕剛と彼のニューBandが教えてくれた。